明治大学商学部   吉住尚次郎

明治大学商学部
吉住尚次郎

 

今回は「東京都内に住む1人暮らしの大学生の食事」について、エスノグラフィーでわかった傾向を1つ紹介します。

その前にまず、エスノグラフィーを使ってどのように調査をしたのか簡単に説明しましょう。

  1. 調査参加者を探す(僕のチームの対象者は「1人暮らしの大学生」です)
  2. 調査参加者にアポ取り
  3. 彼のアパートを繰り返し訪問(1回では終わりません)
  4. 観察中はその人に密着。行動をひたすらメモします(僕は浴室での様子も全て観察しました)。どんな些細なことでも見逃がさず、部屋の様子から表情まですべてメモします。
  5. そのメモをもとに「フィールドノート」と呼ばれるものを観察後に書きます。他人の日記を書くイメージです。
  6. たくさん「ノーツ」を作成した後、ノートを分析(コーディング)

特定のパターンを発見

という順に進めました。こうすることによって、本人が無意識に行っているけれど、気づいていない行動のパターンを見出すことができます。
そして今回は大学生の食生活に共通してみられた「分食」について紹介します。

「1食何回」という食事のカタチ

家での食事といえば、1回の食事に対して1回調理しますよね。しかし1人暮らしの大学生の食事の場面では、1回の食事が終わってから、また調理し直して食事をし直す(=分食)という場面が多く見られました。
下図のようなイメージです。

以下フィールドノートから場面の抜粋です。

フィールドノート①
夕食:リゾット、きゅうりの浅漬け+お茶漬け
Rはリゾットだけでは満足できなかった
Rはお腹がすいたのでお茶漬けを食べたいと言い出し、お茶漬けと聞いて光江も食べたくなったため作ることに。(中略)余っていた米を4:6でRが多く盛り、永谷園のお茶漬けをかけ、沸かしたお湯をかけて食べる。

フィールドノート②
夕食:サラダ、鮭、ごはん +食パン
サラダと焼きサーモンを交互に食べ続けた。(中略)
19:43 食事終了
さき「パン1枚食べる!」
あいこ「食パン?!」
さき「うん。おなかすいた。」
主食を食べなかったので満腹にならなかったのだろう。
サーモンを焼いていたフライパンで焼く。

   
  
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   フルーツグラノーラをのせたパン

フルーツグラノーラをのせたパン

フィールドノート③
夕食:納豆、もずく、ごはん +明太子うどんとポテトサラダ
Aは納豆と白米、もずくを食べ終え、ソファに座った。しかし、食事で使った物は片付けていない。几帳面なAには珍しい。すると、Aはスマホを弄りながら、「明太子、明太パスタ、明太うどん」と言いながらクックパッドで明太子の食べ方を検索し始めた。そして、Aは戻ったポテトサラダに明太子を混ぜ、お酒と一緒に食べ始めた。そして、Aはテーブルにタッパーを置いたまま頭を持っていくように、明太子を混ぜたうどんを少しだけ食べ、冷蔵庫からバターチューブとめんつゆを取り出して、少量うどんにかけて混ぜ食べる。

   
  
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   この後、目の前にあったアンチョビを加える

この後、目の前にあったアンチョビを加える

  1. リゾットときゅうりの浅漬け→お茶漬け
  2. ご飯と鮭、サラダ→食パン
  3. 白米と納豆、もずく→明太子うどんとポテトサラダ

上記の調査参加者の普段の食生活はさまざまです。毎日自炊するという健康的な人もいれば、食事の9割型は外食という人もいます。そのうちのほとんどがファストフードか牛丼ということもわかりました。体壊しますね。しかしいずれの人も自炊の場面では共通して、分食する傾向が見られました。
ちなみにインターネットで分食と検索すると、ダイエット関連のページがたくさんでてきます。でもどうやらダイエット目的で分食しているわけではないようです。
ではなぜでしょうか。次回に続きます。

 

 

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