明治大学商学部 三苫美鈴

明治大学商学部
三苫美鈴

今回紹介するのは、「食事中のメディア」についてです。メディアといっても様々あげられますが、今回は食卓でのスマートフォンの使用例を紹介したいと思います。
というのも、私たちが各家庭の食卓を観察していく中で一番多く出てきたメディアは、テレビや新聞ではなくスマートフォンでした。また、スマートフォンの普及によって食卓のルールが変化していった家庭が多くみられたのです。家庭の食卓では、スマホは一体どのような役割なのでしょうか?では、2つの家庭のケースを見てみましょう。


①    Mさんの家庭
Mさんの家庭では、高校卒業まで食事中のテレビ視聴は良いものの、携帯・スマートフォンの使用は禁止だったそうです。しかし、Mさんが大学入学と同時期に自然とスマートフォンの利用が認められるようになったといいます。調査では以下のようなやりとりが観察されています。

フィールドノート①(2015年5月20日 夕食)
ご飯を半分位食べた頃、姉はリモコンの隣に置いたあったスマホを手に取り、「ねえ面白いの見つけたから見て」と言い、あるサイト(子供のおもしろ俳句集の記事)を見せてきた。Mがその記事を読み笑うと、毎回姉は「今どこで笑ったの?」と聞いてくるので、その話をして一緒に盛り上がった。

Mさんの家庭では、大学入学前は携帯・スマホを食卓に置くことも禁止されていたそうですが、現在では家族全員スマホを近くに置いているそうです。会話のネタにもなっていることが見受けられます。


②    Nさんの家庭
Nさんの家庭では、テレビで天気予報を見るのは許されているものの、それ以外はテレビや携帯・スマートフォンの使用は禁止されていました。しかし母が携帯からスマートフォンにかえたことをきっかけに、食事中のスマートフォンの使用が認められるようになったといいます。

フィールドノート②(2015年5月26日 夕食)
母はそういえば、と言ってiPhoneを手に取り、父に「面白い写真がある」といって、夕方私に見せた写真を父にも見せる。父、苦笑。

Nさんの家庭では、現在でも食事中のテレビ視聴は禁止されていますが、スマートフォンやパソコンを食卓に置くことは許可されるようになったそうです。

食事中に撮影した写真です。すぐ傍にスマホが置いてありますね。では、なぜ食事中のスマートフォンの使用が許可されるようになったのか、MさんとNさんのご家族に後にインタビューしてみると次のような答えが返ってきました。

Mさん家

「大学生になって食事中しか顔を合わせて会話すること機会がないので、スマホで日ごろ何をしているのか・どんなことにハマっているのか等、写真やサイトを見せて話してもらった方が安心するから」


Nさん家

「携帯のときは電話やメールのツールという印象が強かったが、スマホはカメラやインターネットとしての役割が強いため、許可している。実際に写真を見せたりして、会話の種にもなっている。」

食卓におけるスマホは、視聴されるメディアというよりも、コミュニケーションのために利用されるメディアとしての役割が強いことがわかります。大学生は家にいることが少ないからこそ、食事中のコミュニケーションがより重要視されているのかもしれません。

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