明治大学商学部 戸田敦也

明治大学商学部

戸田敦也

家ですることがない!ヒマだぁーー!でもお金がない...

皆さんこんな時どうしますか?

私なら断然スマホゲーム!タダでその場で手軽に行えてしまいます。「消費離れ」な若者ならこの選択肢があることはとてもうれしいはず。

 

しかし今世、ゲームセンターから若者の声が消えることはありません。なぜ今、お金を払ってゲームをするのでしょうか!

 

この疑問を解くために、今回は小学生の頃からゲーセンに通う男性(以下T君)に同行し、T君の行動を観察しました。

 

 

「スマホのリズムゲーとは違うよね」

そう言ってT君が向かった先には太鼓が二つ。皆さんご存知『太鼓の達人(2001年 ナムコから発売)』です。もちろん、スマホゲームとしてもアプリ化され今なお多くの世代に愛されるゲーム。それでもやはりスマホでのタッチ作業とは完全に別物のゲームなようです。

 

「スマホの太鼓の達人はリズムゲーム。僕がやりたいのは太鼓の達人。だったら太鼓を叩かないと」とT君は言います。

 

体を使って叩けるのがゲームセンターの醍醐味な模様。ですが、T君がゲームセンターに通うにはもっと大きな理由がありました。

 

 

「アイテムを手にできるのがいいよね」

背負っていたバッグをおろすとT君は中から‘‘MYばち’を取り出しました。太鼓の達人のゲーム機には備え付きのばちがあります。通常は(観察者の観念にすぎませんが)それでゲームを開始しますが、T君は自前のばちで叩き始めました。

 

「愛用するスティックの方が気持ちも高揚するじゃん」――達人を目指すには、まず道具を愛することからといったところでしょうか。スマホゲームにはガチャというイベントをすることでアイテムを得ることができるものが多いです。このアイテムがゲームに彩りを持たせます。しかしそのアイテムは画面の中の物。実際に手にもってそのアイテムの質感を感じる興奮が伝わってきます。

 

 

「ともに叩いた分だけ上手くなれた」

このMYばち、どうやら貰い物のようです。話を聞いてみるとT君が中学2年生の時に卒業する先輩から譲り受けたものだそうです。それ以来、太鼓を叩く際にはいつも持ち歩いてきました。

 

ゲーム内で登場して得体の知れない仙人アブラカタブラから貰う魔法の杖より自分の目で追ってきた先輩から貰う方が心にこみ上げるものがあるでしょう。この時からただのゲームではなく一つの芸として取り組むようにもなったそうな。確かに尊敬する先輩が使っていた道具を受け継ぐとやる気も俄然上がりますよね。私自身も野球部で先輩のバットをいただいたことでより練習に身が入ったものです。

 

思いが詰まったばちでT君は最高難易度である『鬼』の中でも難しいX-JAPANの『紅』を叩き上げ見事フルコンボを達成しました。

 

 

いかがでしたか。ネットやSNSが全盛の時代に主体性を感じたいと考える若者が多いのでしょう。日常でありながら非日常なゲームでリアルを感じられるゲームセンターには大きな意味があるようです。

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