行列は何のため? 大学生も参加する「転売」の実態

行列は何のため? 大学生も参加する「転売」の実態

最近なにかと話題の「行列」。ポップコーン、パンケーキ、ゴローズなどはメディアでも人気です。今回は、大学生がアルバイト感覚で行列に並ぶ「転売」について報告します。

 

大学生はお金がないゆえに自分の時間を売り始めた

この写真はsupremeというブランドがthe north faceとコラボしたときにできた行列です。発売は土曜日10時(オンラインは11時)からですが、前日9時に列ができ始めました。

 

9時現在、並んでいる人数は100名程度。その内訳は、大学生6割、中国系の方3割、その他が1割です。

 

このときの目玉商品は2つ。ジャケットとパーカーで、ジャケットは定価45千円、パーカー約100着(渋谷店)が定価27千円です。 

 

 

並び時間は24時間

 色によって異なりますが、基本的に転売価格(ヤフオク落札相場)は、ジャケット定価プラス2万円、パーカー定価プラス2万円です。24時間並んで100番以内の人が購入できます。儲けは4万円、時給にすると1時間1666円。

 

実際にこの商品を欲しい人ももちろんいますが、すぐに近くの郵便局で発送する数人の若者が見られました。

私「もう売ってしまったのですか?」

若者A「並んでいるときから、フリマサイトで予約をとっていました」

私「いま貯金いくらあるんですか?」

若者A「いや、貯金なんてしてないですよ。就職活動が忙しくてぜんぜんバイトできない。だから、こういうことして稼いでいかないとやりくりができないんですよ」

  

転売業者は個人転売の大学生の登場によって困り始めている

 転売の業界で有名な出来事に、2006年、BAPEの最盛期にシャークパーカ定価4万が25~40万円で落札されたことがあります。

 

当時、店頭に100人並んでいるとしたら、転売のため雇われた人々が96人、一般の買い物客が4人程度という状況でした。

 

しかし最近では、店側の並ばせ方が変わったため、転売業者は以前のような「おいしい思い」ができません。ときには赤字を出してしまうほどです。

画像2.png

たとえば、こちらの写真はsupreme nike”air max 98”が発売された時の写真です。場所はsupreme原宿店。

 

この時並んでいたのは約200人。発売されたのは4色です。1人2色買うことができたのですが、このとき店側は全色あわせて約120足しか用意していませんでした。結局、買えたのは多くて65人になります。

この写真の後ろから約70人は、転売業者に雇われた外国人やホームレスの人々です。つまり、この時点で後ろから70人は赤字。それでも、彼らは時給1000円もらう契約で並んでいます。

 

転売業者も人を雇って並ばせるだけでは利益をだせず、戦略が求められる。転売はシビアなビジネスなのです。

 

明治大学商学部  新垣きおし

明治大学商学部

 新垣きおし

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