エナジードリンクはなぜはまる? 

           エナジードリンクはなぜはまる? 

                              明治大学商学部                 濵野 亮

                             明治大学商学部

               濵野 亮

近年ようやく市民権を得てきた「エナジードリンク」という新しい飲み物。以前からその危険性は謳われてきましたが、2015年日本国内で初の「エナジードリンク」によるカフェイン中毒での死亡者が出ました。にもかかわらずエナジードリンクにはまる若者たちは隠れながら存在します。現に私もその一人です。今回はその隠れたエナジードリンク中毒者たちの現状を追います。

 

 

 

成分はどうでもいい!エナジードリンクは味わうもの

 

エナジードリンクはいったい「中毒者」にとってどのような存在なのでしょうか。ある教育機関で働くAさん(31歳男性)の例を見てみましょう。

 

2016年6月23日木曜日 (フィールドノーツより抜粋)

 

Aさんはデスクの下からレッドブルの330ml缶を取り出す。アルミ缶のふたを右手であけようとするがなかなか開かない。力のある同僚にあけてもらい、二口ほど飲む。「今日何かありましたっけ?」と私が聞くと、いつもの業務内容であり特別なことはない。

 

「なんで買いました?」と私が聞くと、Aさんは「いや、いつも通りですよ」と答える。彼にとってはただの飲み物の種類の一種であることがわかる。

 

私「成分とか気にしたことあります?」

Aさん「ないですね。初めて買うときは軽く確認しますが。僕は基本成分で判断じゃなくて味で判断しています。モンスターの白とかおいしいですよね」

 

中毒者にとってエナジードリンクは普通のコーラやお茶といった飲み物のうちの1つでしかありません。一般に消費者は「気合を入れるため」にエナジードリンクを飲みます。しかし「中毒者」にとってエナジードリンクとはなにも特別な飲み物ではなく、日常的な存在です。さらに、成分は一切気にせず、単に味を楽しんでいます。では中毒者はどんな時にエナジードリンクを飲んでいるのでしょうか。

 

 

タバコとエナジードリンクはあう?

 

「中毒者」はどんな時にエナジードリンクを飲んでいるのでしょうか。先ほどのAさんと同じ教育機関で働くBさん(41歳男性)の様子を見てみましょう。

 

2016年7月5日火曜日 教育機関休憩所にて(フィールドノーツの抜粋) 

 

タバコを吸うAさんとBさん。片方の手にはレッドブルの330ml缶。タバコと共にバッグから取り出してきたものだ。タバコを何回か口に運んではレッドブルを飲む。「タバコとあいますよね。」とBさん。タバコと一緒にレッドブルを飲む姿は今までにもあった。

 

BさんとAさんはタバコを吸い終わると、レッドブルをもってふたたびバイト先へ戻った。戻るとAさんはバイト先のデスクでは机の下から出した麦茶を飲んでいた。

 

実際、タバコを吸う人はエナジードリンクをよく飲んでいます。大学の喫煙所でもいました。居酒屋でもレッドブルウオッカを飲みながらタバコを吸っている人を目撃しました。Bさんのいうように、タバコとエナジードリンクの相性はいいのかもしれません。ではどのように中毒者はエナジードリンクを選択するのでしょうか。

 

 

中毒者はうたい文句に弱く新しいもの好き

 

「中毒者」はいったいなぜエナジードリンクを買ってしまうのでしょうか。Aさんのケースを見てみます。

 

2016年6月30日木曜日 教育機関の休憩所にて(フィールドノーツより抜粋)

 

Aさんと休憩所に行くといつもと手に持っているものが違う。持っていたのはペプシ5の新作「ペプシストロング5.0GV」であった。「何で今日はそれなのですか」と私が聞くとラベルに書いてある「最高ガスボリューム5.0GV耐圧ボトル」「ペプシ史上最強炭酸」「強力カフェイン」という言葉につられたという。二郎系のラーメン終わりにトクホのからだすこやか茶をのむのと一緒だと思った。

 

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 私「初めてのもの買うときって何で決めていますか?」

Aさん「書いてあることと、パッケージのかっこよさ。かっこ悪いものはあまり買おうと思いませんね」

 

中毒者は単にエナジードリンクという部類のものだけを飲むわけではありません。自分の力になりそうな文言がうたわれている飲み物なら飲むようです。つまりパッケージのうたい文句に弱いのです。また中毒者にとってパッケージのかっこよさというのは商品を買う際にかなり重要な役割を果たしています。

 

今回の調査では、エナジードリンク中毒者たちが、「エナジードリンクの味」「商品の新しさ」「パッケージのかっこよさ」に魅了され、中毒になるほど繰り返し買っている状況がわかったのです。

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